私が簡単にお名前をお呼びできるような立場ではないのですが、自分の人生を歩んでいくために必要な素養を教えてくださった方々のお一人です。
もちろん、私と年代が同じというわけではありませんが、ご逝去されたのが1989年ということで、ちょっとだけ生前のお姿をブラウン管を通してお見かけしたことがあるなぁという感じです。
私が松下幸之助さんの考え方に触れたのは、社会人になってから約20年経った頃だったように記憶しています。
その頃の私といったら、会社人としてもうまくいかず、家庭内でも全くうまくいかず、実家との関係もうまくいかずといった具合で、本当に悩んでばかりいた時期でした。
職場が変わり、生活様式も変わったり、家族の容態も変化したり、本当に行き詰まっていました。
そんな時、自分の悩みを聞いてくださった方から、この本読んでみたら?とおすすめされたのが松下幸之助さんの「道を開く」でした。
この本に出会ったことをきっかけに、松下さんの書かれた本、松下さんの考えをまとめた本を読み漁りました。
松下さんの数ある著書、考え方から、自分が見つけ出した共通の考え方があります。
それは、一生素直な気持ちを持ち続けること、謙虚であり続けること、相手から言われたことを素直に受け入れることです。
特に印象に残っている言葉が(うる覚えで必ずしも正確でないことをお許しください)、「一生素直でいることは本当に難しい。90歳近くの私ですらまだ素直の一年生や」とおっしゃられていたことです。
詳しいことは、この記事の読者の皆さんが実際に本を手に取って、ご自身で解釈されるのが一番かと思いますが、相手から言われたことを素直に受け取って自分の中に落とし込むということは難しいということ。そして、年齢を重ねるごとにより一層難しくなっていくということです。
誰しもそうだと思いますが、小学一年生くらいまでは親や親戚、近所のおじちゃんの話を何の疑いもなく受け入れ、素直に「はい」と返事ができていましたよね?それが加齢とともに、とくに50歳を過ぎてくると全く素直に受け入れられなくなってくる。それは、積み上げてきた経験、プライド、若造なんかより自分の方ができるんだといった自分の思いが素直に受け入れることを邪魔してしまうんですよね。ほとんどの方がそうだと思いますし、そうなって当然だと思います。歳を重ねる、成熟していくというのはそういうことですもんね。
でも、松下さんは「それは違う」とおっしゃられている。とくに会社の経営を任されている企業のトップはそれではいかん!とおっしゃるわけです。
松下さんは、幼少の時から病弱で、もしかしたら20歳まで生きられねいかもしれないと言われて過ごしたそうです。それでも、10代の頃から丁稚奉公で親元を離れ働くことを余儀なくされて、苦労の連続だったそうです。今だったら信じられないことですが、右も左も分からない小さい子が、しかも病弱な子が働きに出される。でも、生きていくには仕方がない。
だからこそ、周囲の人からの助けなしではしんどかった。助けてもらいながらも仕事で成果を出さなくてはならない。
そのきつい環境の中で行き着いたのが、素直でいること、謙虚でいること。
怒られても、叱られてもまずは「はいわかりました。」決して言い訳はしない。自分の考えではこうだったのでこうしたというものがあったとしても、内に秘めておく。
こんな病弱な私でも、働かせてくれている。助けてもらっている。それだけでもありがたい。謙虚な気持ち。
そういったことが書かれていたともいます。
幾つになってもそれを実践し続けるってとっても難しいことだと思います。
でも、難しいからこそやる意義があると思いますし、難しいことにチャレンジするということは大切なことだと思っています。
幾つになっても「素直に受けとる」って、とっても難しくないですか?
50も半ばになって20歳くらいの若いあんちゃんこに「爺いさんそれは違う」なんて言われたら、カチーンとくるのが普通じゃないでしょうか?
松下さんは、時代は変わる。その時代時代にあったものを作らなくてはならない。だから自分とは違う世代から受けた指摘にも真摯に耳を傾け、それでは今の時代には何が必要か?を若い世代から感じ取っていかないと時代の要求にあったものづくりはできない。みたいなことをおっしゃっていたと思います。
「今までこうだったから」とか「前はこうだったよ」ということは慎まなければならない、ということなんだと自分は解釈しています。
だから、反省はするけど反省に固執するのではなく、反省点はあったけど次に繋げるにはどうすれば良いかに時間を割くべきなんですよね。
松下幸之助さんは、本当に好きで、松下政経塾やPHP出版を創設したのも松下さんなんですよね。20年前まで知りませんでした。PHP出版の本は読みやすくて興味をひかれるテーマがお多いので好きです。
まだまだ、松下幸之助さんから感銘を受けたことがあるのですが、今日書けるのはここまで。思い出したらまた別の機会に書こうと思います。
コメントを残す