中学受験 ①

始まりは一枚の紙からだった。

上の娘が小学4年生の時、通学している町の小学校で中高一貫校(私学)のA4一枚のパンフレットが配られた。

「オープンキャンパスのご案内」

私はこの広告を見て、娘を行かせてやりたいと思った。予定表を確認するとちょうどオープンキャンパス開催日は休日だ。

まずは娘に案内。娘はわりと新しいことに興味を示す方なので、快諾した。

次に、妻。妻もそういうものがあるなら行かせてみるのも良いねと快諾した。

中高一貫、ましてや私学ともなれば学費が高価なのは承知の上だった。それでも娘がその学校に興味が湧き、その学校で学んでみたいという意思があり、仮に合格したのなら、通わせてあげたいと思った。お金は親父がなんとかする。そこまでの覚悟を一瞬でつけて、オープンキャンパスに臨むことになった。

当日。田舎から余裕をもって出発をしたので開始までの1時間、校舎付近のCAFEに寄って親子3人、ドリンクと軽食をとった。初めての体験を間近に控え、いろいろな想像が会話の中で交わされ、微笑ましい時間を過ごしたように記憶している。

会場は、結構な人が集まっており、その学校にすでに通わせているから下の子にも見学させておこうと考えている保護者や私のように初めてイベントに参加している親御さんなど、来場されている人たちは保護者もその子供たちも明るい未来を胸に皆キラキラしていたように思う。

いったん講堂に集められた参加者は、校長からの挨拶や軽いオリエンテーションを受けた後、各教室で行われる在校生による様々な企画に参加できる。

演劇部、軽音楽部、化学部、動物研究部etc、フライトシュミレーター研究部なんていうのもあった。

娘は、ロザリオを作ろうに参加したのだが、今となってはそのロザリオもどこへいったものか。

時間は豊富にあったので、作成が終わった後でも実施されているほとんどの企画を見学できた。一通り見て回った。

在校生は、どの子もはつらつとしていて、決して物おじせず自信に満ち溢れていたように思う。そんな様子を見て私は、「娘がこの学校に通うことになったら幸せだなぁ」などと、まるで自分がこれから入学するかのような想像をしていた😅

各イベントが終了時刻を迎え、私たちは次に行われる「学生寮」の案内を受けに行った。

寮へは道路を一本渡るのみ。校舎から目と鼻の先の距離にあった。

建物は決して新しい方ではないが、かといってボロボロという感じではなく、最低限プラスαの快適性とった印象であった。

校長、寮母さん、寮で生活している高校生もプレゼンテーションしていた。立派である。

先輩たちは私たち見学者とすれ違う際でも、みんな必ず目を見て挨拶できているし、就学環境、毎日の献立、学生のサポート体制など、自分はもうその日の朝から舞い上がっているせいか、学生寮の様子を見て全く申し分ないと感じていた。

あとは、娘がこの学校に通ってみたいと言うだけだなと思っていた。


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